「長期」に法律上の決まりはない

長期インターンは何ヶ月から長期と呼ぶのか、という決まりは法律にありません。長期インターンという言葉自体が、法律の用語ではないためです。この記事では、数か月以上続けて働く有給のインターンを、長期インターンと呼びます。

長期インターンの期間は、求人ごとに違います。3か月、6か月、1年、期間の定めなしなどがあります。平均の期間を示す公的な統計は見当たりません。目安を知りたいときは、平均ではなく、自分が応募する求人の契約期間と更新のルールを見ます。

有給の長期インターンで雇用契約を結ぶなら、期間は労働契約の期間として決まります。どのくらい続けるかは、その契約期間と、更新の有無で読み取れます。

求人票の期間の書き方の例

  • 契約期間:6か月(更新あり)…6か月ごとに更新するかを決める。更新の基準も書いてあるかを見る
  • 契約期間:3か月(更新は勤務状況により判断)…更新の判断の基準が、勤務状況であることを示している
  • 更新上限:通算2年まで…何回更新しても、通算2年で終わる
  • 期間の定めなし…終わりの日はない。辞めるときは自分から申し入れる

長期インターンの何ヶ月という目安は、1回の契約期間ではなく、更新を含めて何か月まで続けられるかで考えます。3か月契約でも、更新があれば1年以上続けられます。

3省合意での期間の考え方

就職活動で使われるインターンシップには、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の考え方があります。2022年6月の改正で、学生のキャリア形成支援の取組は4つのタイプに分けられました。

このうち、企業が得た学生の情報を採用活動に使えるタイプ3には、期間の基準があります。汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上です。実施期間の半分を超える日数を、職場での就業体験にあてることも求められます。

この基準は、就職活動のインターンシップの最低限の期間です。数か月続く長期インターンの長さを決めるものではありません。同じ文書は、期間は現状では様々であり、教育目的や効果を踏まえて適切に定めるとしています。長期の場合に参加を促す効果が考えられる形として、有給インターンシップにも触れています。

また、受け入れる企業と学生の間に使用従属関係などがある場合は、労働関係法令が適用されることがあるとしています。有給の長期インターンは、雇用契約を結び、労働基準法のもとで働く形です。4つのタイプの違いは長期インターンとはの記事で説明しています。

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契約期間の定めあり・なしの違い

雇用契約には、期間の定めがあるもの(有期契約)と、ないもの(無期契約)があります。長期インターンでは、どちらの求人もあります。

契約期間の定めあり・なしの違い

期間の定めあり(有期契約)

  • 3か月、6か月など終わりの日が決まっている
  • 期間が終われば、更新しない限り契約も終わる
  • 途中で辞めるには、やむを得ない事由か会社との合意
  • 1回の契約期間の上限は原則3年

期間の定めなし(無期契約)

  • 終わりの日が決まっていない
  • 辞めると申し入れてから2週間で終わる
  • 卒業など、辞める時期を自分で決める

労働基準法第14条により、期間の定めのある契約は、原則として3年(36か月)を超えて結べません。学生の長期インターンでは、3か月や6か月といった短い期間で結び、更新していく形が考えられます。

有期契約では、会社もやむを得ない事由がなければ、契約期間の途中で解雇できません(労働契約法第17条)。期間の定めがない雇用は、民法第627条により、申し入れから2週間で終わります。途中で辞めるときのルールと伝え方は長期インターンの続け方と辞め方の記事にまとめています。

契約期間と試用期間は別のものです。試用期間は、契約の中で、最初の一定期間を適性を見る期間とする決まりです。労働基準法第21条により、試用期間中でも14日を超えて働いた人を解雇するには、原則として30日前の予告か、解雇予告手当の支払が必要です。試用期間の長さと、その間の時給は、労働条件通知書で確かめます。

更新の有無と更新上限の明示

有期契約で見るのは、期間の長さだけではありません。更新があるか、何回まで、あるいは通算何年まで更新できるかも大切です。

労働基準法施行規則第5条により、会社は契約のときに、契約期間と、契約を更新する場合の基準を示す必要があります。2024年4月からは、通算の契約期間や更新回数に上限があるときは、その上限も示すことになりました。これらは書面で渡すことが決まっています。本人が希望すれば、メールなどで受け取れます。

募集の段階でも、契約を更新する場合の基準を示すことが、2024年4月から必要になりました。求人ページに、更新の有無や上限が書いてあるかを見ます。

最初の契約より後に更新上限を新しく設けたり、短くしたりするときは、会社はその理由を前もって説明する必要があります。

更新のときは、次の点が前の契約から変わっていないかを確かめます。

  • 次の契約期間と、その次の更新の有無
  • 時給と、週の日数・1日の時間
  • 担当する業務と就業の場所、その変更の範囲
  • 更新上限があるか、前の契約から変わっていないか
有期契約の更新の流れ
  1. 1契約を結ぶ期間、更新の基準、更新上限を書面で受け取る
  2. 2更新のたびに同じ項目を、あらためて示される
  3. 33回以上更新・1年超雇止めの予告の対象になる
  4. 4更新しないとき会社は満了の30日前までに予告する

出典:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」「労働契約の終了に関するルール」

厚生労働省の告示により、3回以上更新された人や、1年を超えて続けて働いている人の契約を更新しない場合、会社は少なくとも30日前までに予告する必要があります。最初から更新しないと示されている契約は除かれます。

更新を何度も繰り返し、実質的に期間の定めのない契約と変わらない場合や、更新を期待することに合理的な理由がある場合は、雇止めが認められないことがあります(労働契約法第19条)。また、同じ会社との有期契約が通算5年を超えると、本人の申込みで期間の定めのない契約に変わる無期転換ルールがあります。

3か月・半年・1年の区切りで変わること

長期インターンの契約期間は、3か月や半年で区切られることがあります。期間の区切りは、仕事の中身だけでなく、法律上の扱いや手当にも関わります。

続けた期間で変わること
3か月6か月12か月36か月
  1. 3か月Day91の継続手当90日続けると91日目に1万円以上
  2. 6か月年次有給休暇6か月続けて働くと付与される
  3. 12か月雇止めの予告1年を超えると30日前までの予告の対象
  4. 36か月1回の契約期間の上限原則3年を超えて結べない

有給休暇は全労働日の8割以上出勤した場合。日数は週の所定労働日数で変わります。

  • 3か月(90日):Day91に載る求人では、3か月(90日)続けると、91日目に企業から1万円以上の継続手当が出ます。
  • 6か月:働き始めてから6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤すると、年次有給休暇が付与されます(労働基準法第39条)。週の所定労働日数が少ない人は、日数に応じた日数になります。
  • 1年(12か月):1年を超えて続けて働くと、契約を更新しない場合に、30日前までの予告の対象になります。
  • 学期の区切り:前期と後期で時間割が変わります。契約期間を学期に合わせると、働く曜日を見直しやすくなります。

契約期間は、給与から引かれる所得税の計算にも関わります。国税庁によると、時給や日給で払うアルバイトで、あらかじめ雇用契約の期間が2か月以内と決まっている場合は、源泉徴収税額表の日額表の丙欄を使います。2か月を超える契約なら、扶養控除等申告書を出しているかどうかで、甲欄か乙欄を使います。2か月を超える長期インターンで、ここを主な勤め先にするなら、扶養控除等申告書を出すと甲欄で計算されます。

最初の契約を短めにすると、仕事が合うかを確かめてから続けるかを決められます。一方で、更新のたびに条件を確かめる手間があります。有給休暇の日数の表は、先ほどの続け方と辞め方の記事にあります。週の日数の決め方は週何日・何時間働くかの記事で説明しています。

卒業までのどこで辞めるか

長期インターンをいつまで続けるかは、卒業までの予定から逆算します。就職活動、卒業研究、試験など、忙しくなる時期は人によって違います。

有期契約なら、契約期間の満了で終えるのが、会社とも話がまとまりやすい形です。辞めたい時期が決まっているなら、その時期に満了日が来るように、更新のときに期間を相談します。

卒業後も同じ会社で働き続ける場合は、扱いが変わることがあります。雇用保険では、昼間に通う学生は原則として被保険者になりません。ただし、卒業見込証明書があり、卒業前に就職して、卒業後も同じ事業所で働く予定の人は被保険者になります。

卒業の時期と契約期間が重なるときは、卒業後も続けるのか、卒業前に終えるのかを、早めに会社と話しておきます。

契約期間の途中で就職先が決まるなどして、続けられなくなることもあります。会社と合意すれば、期間の途中でも契約を終えられます。合意で終えるときは、最終日、最後の給与の支払日、手当の扱いを、書面やメールで確かめておきます。

Day91で探す場合

Day91は、有給の長期インターンだけを載せる求人サイトです。載るのは、3か月(90日)続けると、91日目に企業から1万円以上の継続手当が出る求人だけです。手当は企業が自社の制度として直接払い、Day91はお金を預かりません。

応募は各企業のページで行います。契約期間、更新の有無、手当の条件は、企業のページで確かめてください。

この記事は、2026年10月2日時点で厚生労働省と法令をもとにした一般的な説明です。契約期間の途中で辞められるか、雇止めが認められるかは、個別の事情で判断されます。個別の状況は、勤め先、総合労働相談コーナー、労働基準監督署に確認してください。