長期インターンで何するのか分からないまま応募すると、入ってから思っていた仕事と違うことがあります。大学生のインターンがどんな感じかは、職種ごとの仕事の中身と、求人票の書き方を知るとつかみやすくなります。
仕事内容は求人票の「業務内容」で決まる
雇用契約で働く長期インターンでは、何の仕事をするかは契約で決まります。会社は、働く人に労働条件を明示する義務があり、その中に「従事すべき業務に関する事項」が入っています。労働基準法施行規則第5条です。
求人を出す段階でも、明示のルールがあります。職業安定法により、会社は募集の時点で業務内容を示す必要があります。2024年4月からは、業務の「変更の範囲」も明示する事項に加わりました。
つまり、仕事内容を知るいちばん確かな資料は、求人票と、内定後にもらう労働条件通知書です。面接では、求人票に書かれた仕事を、具体的にどう進めるかを聞きます。
求人票の業務内容では、次の点を読みます。
- 最初に担当する仕事が、具体的な作業の名前で書かれているか
- 誰の下で働くか。社員が教える体制があるか
- 使うツールや言語が書かれているか
- 業務の変更の範囲がどこまでか
「事業の成長に関わる幅広い業務」のような書き方だけで、作業の名前がない求人は、面接で中身を聞いて確かめます。
営業・マーケ・エンジニア・デザイン・事務の仕事
長期インターンの種類は、業種と職種の2つで分けて考えます。業種は、IT、人材、広告、不動産など、会社の事業の分野です。職種は、営業やエンジニアなど、その中で担当する仕事です。同じ業種でも、職種が違えば毎日の仕事はまったく違います。ここでは職種ごとに、任されることの例をまとめます。同じ職種名でも、会社によって中身は変わります。
営業
新しい顧客を探す仕事が中心です。会社のリストをもとに電話やメールで連絡し、商談の約束を取ります。慣れてくると、社員の商談に同席したり、提案資料をつくったりします。職種のくわしい説明は営業の長期インターンの記事にあります。
マーケティング
商品やサービスを知ってもらう仕事です。SNSの投稿づくり、Web広告の数字の集計、記事の作成、アンケートの分析などがあります。広告の表示にはルールがあるので、その点も覚えます。くわしくはマーケティングの長期インターンの記事を見てください。
エンジニア
Webサイトやアプリの開発を手伝います。最初は小さな修正や、動作の確認から始めることが多い職種です。書いたコードは社員がレビューしてから反映されます。未経験からの準備はエンジニアの長期インターンの記事で説明しています。
デザイン
広告のバナー、SNSの画像、Webページ、営業資料などをつくります。社員から目的と大きさを聞き、案を出して直す流れをくり返します。応募の時に、これまでつくったものを見せるよう求められることがあります。
事務・人事
データの入力や整理、書類の作成、社内の問い合わせへの対応などです。人事の仕事では、応募者への連絡や面接の日程調整を手伝います。表計算ソフトの関数を使う場面があります。
ライター・編集
会社のWebメディアやブログの記事を書きます。テーマと構成を社員と決め、下書きを出して直してもらう流れです。慣れると、取材や、ほかの人の記事の確認も任されます。
| 職種 | 最初の仕事 | 慣れてからの仕事 |
|---|---|---|
| 営業 | リストの整理、電話やメールでの連絡 | 商談への同席、提案資料づくり |
| マーケティング | SNS投稿の準備、数字の集計 | 広告の改善案、企画の提案 |
| エンジニア | 動作の確認、小さな修正 | 機能の追加、テストの作成 |
| デザイン | 既存の画像の修正 | バナーやページの新規作成 |
| 事務・人事 | データの入力、書類の整理 | 日程調整、手順書づくり |
| ライター | 決まった型の記事 | 企画、取材、ほかの記事の確認 |
\ 3か月続けたら、91日目に手当 /
継続手当つきの求人を探す1日の流れの例
授業のあと、午後に5時間働く日の例です。マーケティングの長期インターンを想定しています。
- 113時 業務開始チャットを確認し、今日やることを上司に伝える
- 213時15分 作業SNSの投稿文と画像を準備する
- 315時30分 定例ミーティング先週の数字を見て、次の投稿を決める
- 416時 作業広告の数字を表にまとめる
- 517時45分 日報やったことと、明日やることを書く
- 618時 業務終了
13時に始めて、まずチャットを確認し、その日にやることを上司に伝えます。13時15分から投稿の準備をして、15時30分からは定例ミーティングに出ます。16時からは広告の数字をまとめ、17時45分に日報を書いて、18時に終わります。
この例の勤務は5時間です。労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を、勤務の途中に入れる必要があります。長く働く日は、休憩の時間も確かめます。
営業なら、午後の時間の多くを顧客への電話やメールにあて、最後に連絡した件数と結果を記録する日があります。エンジニアなら、朝や昼に短い進み具合の共有があり、残りの時間で担当の修正を進める形があります。職種が違っても、始まりに予定を伝え、終わりに結果を書く形にしておくと、上司が進み具合をつかみやすくなります。
リモートで働く日は、始まりと終わりをチャットで伝える決まりの会社もあります。出社する日は、席の近い社員に質問しやすいので、新しい仕事を教わる日にあてる人もいます。
週2日働く人なら、1日目に作業を進め、2日目にミーティングで結果を見て次の作業を決める、という形になります。働かない日にチャットを見る必要があるかは、会社のルールを確かめます。働く日以外の連絡への対応も、指示されれば労働時間になりうるからです。
最初の1か月で任されること
最初の1か月の進み方は会社によって違います。よくある進み方の例を挙げます。
- 1週目:アカウントの準備、社内ルールの説明、仕事で使うツールの使い方を覚える
- 2週目:社員の仕事を見ながら、決まった手順の作業をする
- 3週目:小さな作業を1人で担当し、社員に確認してもらう
- 4週目:担当する仕事が決まり、毎週の目標を立てる
最初の研修やミーティングも、会社の指示で参加するものなら労働時間です。時給が出るかどうかは、長期インターンの時給の記事で説明している見方で確かめます。
1か月たっても何を任されるか分からない時は、上司に「次に担当できる仕事はありますか」と聞きます。自分から聞くと、任される範囲が広がりやすくなります。
質問する時は、何を調べて、どこで止まっているかを一緒に伝えます。答える社員の時間が短くて済み、次の質問もしやすくなります。
業務内容の「変更の範囲」の見方
2024年4月から、求人と労働条件通知書には、業務と就業場所の「変更の範囲」が書かれるようになりました。厚生労働省は、変更の範囲を、雇い入れた直後だけでなく、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、契約期間中の変更の範囲と説明しています。
厚生労働省のリーフレットには、雇い入れ直後は法人営業、変更の範囲は製造業務を除く当社業務全般、という記載例があります。長期インターンなら、次のような書き方が考えられます。
雇い入れ直後
- SNS運用の補助
- 最初に担当する仕事
変更の範囲
- マーケティング業務全般
- 契約期間中に任される可能性がある仕事
雇い入れ直後の仕事と、契約期間中に変わりうる仕事を分けて読む
変更の範囲が「会社の定める業務」のように広く書かれている場合は、面接で「どんな仕事に変わることがありますか」と聞きます。営業を希望して入ったのに、事務だけになるといったずれを防げます。
就業場所も同じです。リモートで入っても、変更の範囲に本社が入っていれば、出社に変わることがありえます。リーフレットには、雇い入れ直後は渋谷営業所、変更の範囲は都内23区内の営業所、という記載例もあります。通える範囲かどうかを、変更の範囲まで含めて確かめます。
職種の選び方
職種は、得意なことより、やってみたいことから選んでもかまいません。長期インターンは、続けながら覚える働き方だからです。迷う時は、次の問いで分けます。
一番やってみたいことはどれか
就活を控えている人は、志望する業界の会社で、どの職種でもよいから働いてみる方法もあります。業界の仕事の進め方を内側から見られます。
体験談を読む時の注意
長期インターンの体験談は、その人が働いた1社の例です。同じ職種名でも、別の会社では仕事の中身が違います。体験談で興味を持った仕事があれば、応募する会社の求人票で、同じ仕事が業務内容に書かれているかを確かめます。
入ってから別の職種に移りたくなることもあります。変更の範囲に希望の仕事が入っていれば、上司に相談する余地があります。入っていなければ、契約の内容を変える話になります。
決めたら、求人票の業務内容と変更の範囲、週の日数、リモートの可否を見比べます。気になる求人が2つ以上あれば、面接で1日の流れを聞いて比べます。
Day91は、有給の長期インターンだけを載せる求人サイトです。90日続けると、91日目に企業から1万円以上の継続手当が出る求人だけを載せます。応募は各企業のページで行います。
この記事は、2026年10月2日時点の法令と厚生労働省の公表資料をもとにした一般的な説明です。仕事内容や労働条件は求人ごとに違います。個別の状況は、応募先の企業や、総合労働相談コーナーなどに確認してください。



