長期インターンのエンジニアは未経験でもできるか。答えは、求人の応募条件しだいです。「未経験可」「プログラミング初心者歓迎」と書かれた求人もあれば、特定の言語の経験を求める求人もあります。まず仕事の中身を知り、自分に足りないものを準備します。
エンジニアのインターンで任される仕事
エンジニアの長期インターンでは、社員と同じ開発の流れの中で、小さな仕事から担当します。最初に任されやすいのは、次のような仕事です。
- 画面の文字や色の修正など、小さな変更
- 新しい機能が正しく動くかの確認
- 既存のコードへのテストの追加
- 社内で使う集計や自動化の小さな道具づくり
- 不具合の原因を調べて報告する
書いたコードは、そのまま本番に出るわけではありません。社員がレビューし、直すところを指摘してから反映されます。たとえば、次のような流れで仕事が進みます。
- 1タスクを受け取る何を、なぜ直すかを確認する
- 2作業用のブランチをつくる本番のコードとは分けて作業する
- 3コードを書いて手元で確かめる
- 4プルリクエストを出す変えた内容と確かめた方法を書く
- 5社員のレビュー指摘を受けて直す
- 6反映される
最初はレビューで多くの指摘を受けます。それが普通です。指摘の理由を聞き、同じ指摘を2回受けないようにメモしておくと、任される仕事が少しずつ大きくなります。
未経験の人がつまずきやすいところ
最初の数日は、コードを書く前の準備で時間がかかります。開発に使うソフトを自分のパソコンに入れる、会社のコードを手元で動かす、Gitでブランチを切る、といった作業です。ここで止まるのは珍しいことではありません。
もう1つは、他の人が書いた大きなコードを読むことです。授業や独学では、自分で書いた短いコードしか読みません。最初は、直す場所の周りだけを読み、分からない部分は社員に聞いて進めます。
週に入る日数が少ないと、前回の作業を思い出すのに時間がかかります。その日の終わりに、どこまで進んだかと次にやることをメモに残しておくと、次の勤務の始まりが早くなります。
Pythonの求人では、Webサービスの裏側の処理のほか、データの集計や分析、作業の自動化を担当することがあります。同じ言語でも、何をつくるかで必要な知識が変わります。他の職種との違いは長期インターンで何をするかの記事にまとめています。
未経験で応募する前に作っておくもの
プログラミング初心者が長期インターンに応募する時、面接で聞かれるのは「何を作ったことがあるか」です。授業の課題でも、独学でもかまいません。次のものを用意しておくと、話が具体的になります。
- 小さくても最後まで動くもの1つ。ToDoリスト、簡単なWebページ、表の集計スクリプトなど
- そのコードを置いた場所。GitHubなど、面接官が見られるところ
- 作った理由と、つまずいたところをどう直したかの説明
- 今学んでいる言語と、使った教材
大きなものを作る必要はありません。面接官が見たいのは、分からないことを自分で調べて、最後まで動かせるかどうかです。エラーの文を読んで検索し、直した経験を話せると伝わります。
学ぶ順番の例
- 応募したい求人で使われている言語の基礎を学ぶ
- Gitの基本の操作(コミット、ブランチ、プルリクエスト)を覚える
- その言語で、小さなものを1つ最後まで作る
- コードをGitHubに置き、説明の文を書く
Gitは、独学では後回しにしやすいところです。ですが、入ってすぐの作業でもGitを使うことが多いので、応募の前に触っておくと最初の週がずっと楽になります。
公開するコードに、他の人が書いたコードを使う時は、そのコードのライセンスを確かめます。自分で書いた部分と、借りた部分を分けて説明できるようにしておきます。
大学1年生で始める人の準備は大学1年・未経験から始める時のチェックリストも参考になります。
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継続手当つきの求人を探す求人票で見る言語・開発環境
エンジニアの求人票では、次の点を確かめます。書かれていなければ、面接で聞きます。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 言語・フレームワーク | 今学んでいる言語と近いか。入ってから覚えるものは何か |
| 担当する範囲 | 画面側か、裏側の処理か、データの集計か |
| レビューの体制 | 書いたコードを社員が見てくれるか |
| パソコン | 会社から貸し出されるか、自分のものを使うか |
| 働く場所 | リモートか出社か。変更の範囲に出社が入っているか |
| 業務の変更の範囲 | エンジニア以外の仕事に変わることがあるか |
未経験から始めるなら、レビューの体制がいちばん大事です。教える社員がいないと、何が間違っているかに気づけません。面接で「最初の1か月はどんな仕事をしますか」「コードは誰が見てくれますか」と聞きます。
求人によっては、入ってから数週間、学ぶための課題を出す会社もあります。その時間が業務として指示されたものなら、時給の対象になるかも確かめます。エンジニアの募集には、雇用契約ではなく業務委託で、作ったものごとに報酬を払う形もあります。求人票の雇用形態の欄で、どちらの働き方かを先に見ておきます。
自分のパソコンを使う場合は、会社のコードや情報を私物に置くことになります。その扱いのルールがあるかも確かめます。リモートで働く時の注意はリモートの長期インターンの記事で説明しています。
書いたコードの権利(職務著作)
インターンで書いたコードは、自分のものではなく、会社のものになるのが原則です。著作権法第15条第2項は、会社の発意にもとづいて、会社の業務に従事する人が職務上作成したプログラムの著作者を、会社としています。作成の時の契約や勤務規則などに別の定めがある場合は除きます。
プログラム以外の著作物は、会社の名義で公表するものに限って会社が著作者になります。プログラムには、この名義の条件がありません。会社の名前を出さずに使われるコードでも、会社が著作者です。
自分で作ったもの
- 授業や独学で、業務と関係なく作ったもの
- GitHubで公開して、選考で見せられる
業務で書いたコード
- 会社の指示で、仕事として書いたもの
- 著作者は原則として会社
- 会社の許可なく公開しない
就活のために、インターンで書いたコードを自分のGitHubに載せたくなることがあります。会社の許可がなければ載せません。話せるのは、どんな機能を担当し、何を学んだかです。公開してよい範囲は、上司に確かめます。
雇用ではなく業務委託で働く場合は、この条文がそのまま当てはまらないことがあります。その場合、権利の扱いは契約書で決まるので、署名の前に読みます。
秘密保持とアカウントの扱い
入社の時に、秘密保持の誓約書に署名を求められることがあります。何が秘密にあたるか、辞めた後も守る期間はどれだけかを、署名の前に読みます。
不正競争防止法は、秘密として管理され、事業に役立ち、世の中に知られていない技術上や営業上の情報を「営業秘密」としています。ソースコード、顧客のデータ、まだ公開していない機能の計画などがあたりえます。
エンジニアは、本番のサーバーやデータに触れる権限を持つことがあります。次のことを守ります。
- 会社のアカウントは自分だけで使い、パスワードを人に教えない
- 二段階認証を求められたら必ず設定する
- APIキーやパスワードを、公開の場所にあるコードに書かない
- 会社のコードやデータを、私物の保存先に勝手にコピーしない
- 辞める時は、会社の指示どおりにアカウントを返し、手元のデータを消す
うっかり秘密の情報を公開してしまった時は、隠さずにすぐ上司に伝えます。早く伝えるほど、被害を小さくできます。
コードの作成を手伝うAIツールを使う時も、会社のルールに従います。会社のコードや顧客のデータを、許可されていない外部のサービスに貼りつけると、情報を外に出したことになりかねません。使ってよいツールと使い方を、最初に確かめます。
時給と評価の上がり方
エンジニアの長期インターンでも、時給は会社が決め、勤務地の最低賃金が下限です。最低賃金の額と時給の見方は長期インターンの時給の記事にまとめています。
時給が上がる仕組みがあるかどうかは、会社ごとに違います。面接で「時給が上がる条件はありますか」と聞くと、評価の考え方が分かります。エンジニアの場合、次のような点で評価を決める会社があります。
- 1人で担当できる仕事の大きさ
- レビューで受ける指摘の数と、その直し方
- 期限までに終わらせられるか
- 分からない時に、早めに質問できるか
評価の面談がある会社なら、次の面談までに何ができればよいかを、その場で決めておきます。目標がはっきりすると、評価の理由も分かりやすくなります。
時給のほかに、任される仕事の範囲や、レビューする側に回ることも、成長の分かりやすいしるしです。担当した機能と、その時に学んだことを月ごとに記録しておくと、評価の面談でも就活でも使えます。
Day91に載る求人は、有給の長期インターンだけです。90日続けると、91日目に企業から1万円以上の継続手当が出ます。手当の額と条件は、各求人のページで確かめてください。
この記事は、2026年10月2日時点の法令をもとにした一般的な説明です。権利や秘密保持の扱いは、契約や就業規則の内容で変わることがあります。個別の状況は、応募先の企業や、弁護士などの専門家に確認してください。



