長期インターンのマーケティング職は、未経験可の求人もある職種です。Webマーケティングの仕事は、数字を見て改善をくり返す作業が中心です。何を任されて、何が身につくのかを先に知っておくと、求人を選びやすくなります。
マーケのインターンで多い仕事
マーケティングは、商品やサービスを知ってもらい、買ってもらうまでの流れをつくる仕事です。大学生のマーケティングインターンで任される仕事は、大きく4つに分けられます。
- SNS運用:会社のアカウントの投稿をつくり、反応を見て直す
- 広告運用:Web広告の数字をまとめ、改善案を出す
- 記事・コンテンツ:会社のWebメディアの記事を書く、直す
- 分析:アクセスや売上の数字を集計し、報告の資料をつくる
どれを任されるかは、会社の事業と、マーケティングの体制で変わります。社員が1人しかいない会社では、4つ全部を少しずつ手伝うこともあります。職種ごとの比較は長期インターンで何をするかの記事にまとめています。
SNS運用・広告運用・分析の中身
SNS運用
投稿の文章と画像を準備し、決められた日時に出します。投稿の後は、表示された回数、保存や共有の数、プロフィールへの移動などの数字を記録します。数字のよかった投稿と悪かった投稿を比べて、次の投稿の案を出します。投稿の時間帯、画像の種類、文章の長さなど、1回に1つだけ変えて比べると、何が効いたかが分かります。
コメントや問い合わせへの返信を任されることもあります。会社の名前で答えるので、返信の文面は社員の確認を受けてから出すのが基本です。
投稿に使う写真やイラストにも注意します。他の人が撮った写真や描いた絵は、原則として、許可なく会社の投稿に使えません。社内で使ってよい素材の置き場所を、最初に教えてもらいます。
広告運用
検索広告やSNS広告の管理画面から、表示回数、クリック数、申し込みの数、使った費用を集めます。どの広告文や画像の成果がよいかを比べ、入れ替えの案を出します。広告文の案を書く時は、後で説明する表示のルールも関わります。
広告費は会社のお金です。最初は数字の集計と報告が中心で、予算や設定を変える操作は社員が行う会社もあります。どこまで操作してよいかは、最初に確かめます。
記事と分析
記事の仕事では、検索されている言葉を調べ、構成を考えて書きます。書く仕事が中心の求人は、ライターの長期インターンの記事も参考になります。
分析の仕事では、アクセス解析のツールや表計算ソフトで数字を集計し、週ごとや月ごとの報告をつくります。表計算の関数やグラフに慣れていると、始めやすい仕事です。
メールの配信
メールマガジンなど、広告や宣伝のメールを送る仕事もあります。特定電子メール法により、広告や宣伝のメールは、原則として、あらかじめ受け取ることに同意した人などにしか送れません。配信先のリストに、同意を取った人だけが入っているかは社員が管理しますが、インターン生も仕組みを知っておきます。
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継続手当つきの求人を探す広告表示のルール(景品表示法・ステマ規制)
マーケティングの仕事でつくる投稿や広告は、法律上の「表示」にあたることがあります。景品表示法は、消費者に誤解を与える不当な表示を禁止しています。インターン生がつくった文面でも、会社の表示として出れば同じです。
実際よりよく見せる表示
景品表示法第5条は、商品の品質などを実際より著しく優良と示す表示(優良誤認表示)と、価格などの取引条件を実際より著しく有利と誤認させる表示(有利誤認表示)を禁止しています。
消費者庁は、優良誤認の例として、カシミヤの混用率が80%程度のセーターに「カシミヤ100%」と表示した場合を挙げています。有利誤認の例は、当選者の100人だけが割安料金で契約できると表示しながら、実際には応募者全員を当選とし、全員に同じ料金で契約させていた場合です。
優良誤認表示(第5条第1号)
- 品質や内容を、実際より著しくよく見せる
- 例:カシミヤの混用率が80%程度のセーターに「カシミヤ100%」と表示
有利誤認表示(第5条第2号)
- 価格や取引条件を、実際より著しく有利に見せる
- 例:当選者の100人だけが割安と表示し、実際は応募者全員に同じ料金で契約させた
出典:消費者庁「表示規制の概要」
効果や性能をうたう表示には、裏づけが要ります。消費者庁は、表示の裏づけとなる合理的な根拠を示す資料の提出を、事業者に求めることができます。資料を出せない場合などは、不当表示とみなされます。投稿で「必ず」「一番」といった言葉を使いたい時は、根拠があるかを社員に確かめます。
ステルスマーケティングの規制
2023年10月1日から、広告であるのに広告であることを隠す表示、いわゆるステルスマーケティングが、景品表示法の不当表示になりました。規制の対象になるのは、広告を出す事業者です。依頼を受けて投稿したインフルエンサーなどの第三者は、規制の対象ではありません。
注意したいのは、従業員の投稿です。消費者庁の運用基準は、販売を進める立場にある人、たとえば担当チームの一員が自社の商品について投稿した場合、事業者の表示にあたりうるとしています。マーケティングのインターン生が、自分の個人アカウントで自社の商品をほめる投稿をする時も、この考え方に当てはまるかを考えます。
会社から頼まれた投稿か、担当している商品の投稿か
消費者庁「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準をもとに作成
運用基準では、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった言葉や、「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文で示す方法が挙げられています。一方で、大量のハッシュタグの中に埋もれさせる、周りより小さな文字で書く、動画で一瞬だけ映すといった示し方は、分かりにくい表示の例とされています。
投稿や広告を出す前に確かめること
- 「必ず」「一番」「業界初」などの言葉に、根拠の資料があるか
- 価格や割引の条件が、実際の条件と同じか
- 自社の表示であることが、見る人に分かるか
- 使っている写真やイラストに、使う許可があるか
- 社員の確認を受けたか
未経験から任される順番
マーケティングの長期インターンは、未経験から始められる求人もあります。仕事は、数字を集める作業から始まり、案を出す仕事へ広がっていくのが一例です。
- 1数字を集めるSNSや広告の数字を表にまとめる
- 2決まった型でつくる社員の型に沿って投稿や記事をつくる
- 3比べて気づくよかったものと悪かったものの差を報告する
- 4案を出す次に試すことを提案する
- 5試して結果を見る自分の案を実行し、数字で確かめる
最初の数字集めは地味な作業ですが、ここで指標の意味を覚えます。クリック率や申し込み率が何を表すかが分かると、案を出す段階で根拠を示せるようになります。最初の1か月は、会社の商品とお客さんを知る時間でもあります。商品の説明資料や、過去の投稿と広告を読んでおくと、案を出す時の材料になります。
続けていくと、次のような力が身につきます。
- 数字を集めて、表やグラフにまとめる力
- 結果の差から、理由の仮説を立てる力
- 読む人に合わせて、短い文で伝える力
- 表示のルールを守って、文面を確かめる習慣
成果の記録の仕方
マーケティングの仕事は、成果が数字で出ます。あとでガクチカや面接で話すために、次の形で記録を残します。
- 何を変えたか:投稿の時間、画像、広告文など
- いつからいつまでの結果か
- 変える前と後で、どの数字がどれだけ変わったか
- 自分が担当した範囲と、社員が決めた範囲
最後の点が大事です。チームの成果を自分1人の成果のように話すと、面接で深く聞かれた時に答えにつまります。
売上や広告費などの社内の数字は、外で話してよいかを上司に確かめます。話せない場合は、変化の割合で示す方法があります。記録は、週に1回、決まった表に書き足していく形にすると続けやすくなります。記録をエントリーシートにまとめる手順は長期インターンをガクチカに書く方法で説明しています。
求人票の見方
マーケティングの求人は、同じ職種名でも中身の差が大きい職種です。求人票では次の点を確かめます。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 業務内容 | SNS、広告、記事、分析のどれが中心か |
| 扱う商品 | 自社の商品か、取引先の商品か |
| 使うツール | 広告の管理画面、アクセス解析、表計算など |
| 教える体制 | マーケティングの社員が何人いて、誰に聞けるか |
| 変更の範囲 | 営業や事務など、ほかの仕事に変わることがあるか |
面接では「先月インターン生が担当した仕事を教えてください」と聞くと、実際の中身が分かります。会社の広告や投稿について、表示の確認を誰がしているかも聞いておくと安心です。
おすすめの求人を選ぶ時の考え方
どの求人がよいかは、何を身につけたいかで変わります。数字の分析を学びたいなら広告運用や分析が中心の求人、文章を書く力をつけたいなら記事やSNSが中心の求人が合います。教えてくれる社員がいるかどうかは、どの場合でも優先して確かめます。マーケティングの社員がいない会社で、1人で全部を任される求人は、未経験の人には負担が大きくなります。
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この記事は、2026年10月2日時点の景品表示法と消費者庁の公表資料をもとにした一般的な説明です。表示が規制にあたるかは、内容や状況で判断されます。個別の状況は、勤め先の担当者や消費者庁の相談窓口などに確認してください。



