長期インターンのガクチカで見られるのは期間より中身
ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」の略です。エントリーシートや面接で問われることのある項目です。長期インターンの経験は、仕事の中で起きた課題と、自分の行動を具体的に書けるため、ガクチカの材料になります。
ただし、「長期インターンを1年やりました」だけでは、何をした人なのかが伝わりません。読む側が知りたいのは、どんな課題に、どう考えて、何をしたかです。期間は、その中身を支える情報の一つにすぎません。
選考では、ガクチカだけが見られるわけでもありません。大学などの団体でつくる就職問題懇談会は、2027年度卒業・修了予定者についての企業への要請で、出身学校名やガクチカに偏った選考ではなく、成績証明書や履修履歴なども使い、学業の成果を適切に評価するよう求めています。長期インターンに力を入れる時も、授業との両立を前提に考えます。
エントリーシートに書いた参加の事実は使える
文部科学省・厚生労働省・経済産業省の3省合意は、学生が自分で出したエントリーシートや成績表に、インターンシップなどへの参加の事実やフィードバックの結果が書かれている場合、企業がほかの書類と同じように広報活動や採用選考に使ってよいとしています。長期インターンの経験を自分の言葉で書くことは、問題ありません。
何ヶ月あればガクチカになるか
何ヶ月続ければガクチカに書けるという決まりはありません。目安にしたいのは、月数ではなく、次の流れを1回でも自分で回したかどうかです。
- 仕事の中で、うまくいかないことに気づいた
- 原因を自分なりに考えた
- やり方を変えて試した
- 結果が出た、または出なかった理由がわかった
始めてすぐは、仕事を覚えることで精一杯です。自分で課題を見つけて試すところまで行くには、ある程度の時間がかかります。Day91に載る求人では、90日続けると91日目に企業から1万円以上の継続手当が出ます。3か月を最初の区切りにして、そこまでに1つ自分で試したことを作る、という考え方もできます。
反対に、長く続けていても、言われた作業をこなしただけでは書くことが少なくなります。期間が短くても、1つの課題を深く書ける方が伝わります。
アルバイトやサークルと、どちらを書くか
長期インターンだから評価が上がる、という決まりはありません。アルバイトやサークル、研究と比べて迷ったら、自分で考えて試した経験を深く話せる方を選びます。長期インターンを選ぶなら、なぜ授業の外で働くことを選んだのかも、面接で説明できるようにしておきます。
\ 3か月続けたら、91日目に手当 /
継続手当つきの求人を探す書く材料を在籍中に記録しておく
ガクチカを書く段階になってから思い出そうとすると、数字や順番があいまいになります。在籍している間に、週に1回、短く記録しておきます。
- その週に担当した仕事
- うまくいかなかったことと、その理由の見立て
- 試したことと、その結果
- 上司や先輩から言われたこと
- 数字で残せるもの(件数、率、期間など)
記録の例:今週はテレアポを3日担当。断られる理由で多かったのは「今は必要ない」。最初の説明が長いのではと考え、来週は冒頭を短くした話し方を試す。上司から、相手の業種ごとに話し方を変えるとよいと助言をもらった。
上司との面談で受けたフィードバックも、そのまま書き残します。自分では気づかなかった強みや、直すべき点が言葉になっています。辞める前か、区切りの時期に「自分の仕事をどう見ていましたか」と聞いておくと、面接で話す材料が増えます。
社外に出してよい情報かどうかにも注意します。取引先の名前や、社内の売上の数字は、そのまま書けないことがあります。書いてよい範囲は、上司に確かめておきます。
ガクチカの構成(課題・行動・結果・学び)
ガクチカは、次の4つの順番で組むと読みやすくなります。最初に結論として、何に取り組んだかを一文で書きます。
- 1課題何がうまくいっていなかったか
- 2行動自分が考えて何をしたか
- 3結果何が変わったか
- 4学び次にどう生かすか
- 課題:状況を知らない人にもわかるように、何が問題だったかを書く
- 行動:チームの成果ではなく、自分がした判断と行動を書く
- 結果:変化を、できれば数字か具体的な出来事で書く
- 学び:その経験から何を身につけ、仕事でどう使うかを書く
いちばん字数を割くのは、行動の部分です。なぜその方法を選んだのか、ほかにどんな案があったのかまで書くと、考え方が伝わります。
字数に合わせた書き分け
エントリーシートの字数は、会社によって違います。200字程度なら、課題と行動と結果を1文ずつにして、学びは一言で添えます。400字程度なら、行動の部分で、ほかの案と比べてその方法を選んだ理由まで書けます。
書き出しの一文は、何に取り組んだかを短く言い切ります。「長期インターンで、法人向けのテレアポのアポイント率を上げることに力を入れました」のように、仕事の種類と目標を入れると、その先が読みやすくなります。
職種別の例文(営業・マーケ)
次の例文は、構成を示すためのものです。◯の部分には、自分の記録にある数字を入れます。
営業(テレアポ)の例
例文:大学2年の5月から、法人向けのテレアポを担当しました。最初の1か月は、1日◯件かけてもアポイントがほとんど取れませんでした。断られた理由を通話ごとに記録すると、最初の数十秒で用件が伝わっていないことがわかりました。そこで、冒頭の話し方を上司と何通りか作り、1週間ずつ試しました。その結果、アポイントの率が◯%から◯%に上がりました。この経験から、うまくいかない時は理由を記録し、1つずつ試して確かめる進め方を身につけました。
テレアポの経験は、件数や率が残りやすい仕事です。数字だけでなく、断られた理由をどう分けたかを書くと、考えた過程が伝わります。営業の仕事の中身は長期インターンの営業の記事で説明しています。
マーケティング(SNS運用)の例
例文:大学3年の4月から、会社のSNSアカウントの運用を担当しました。投稿を続けても、保存される数が伸びない状態でした。過去◯件の投稿を見比べると、保存が多いのは手順をまとめた投稿だとわかりました。そこで、投稿の型を手順の形に寄せ、毎週の数字を上司と振り返りました。◯か月後、1投稿あたりの保存数は◯件から◯件になりました。この経験から、感覚ではなく数字で仮説を立てて確かめる習慣がつきました。
マーケティングの経験では、何の数字を見て判断したかを書きます。数字が伸びなかった場合でも、どの仮説が外れたのかを説明できれば、ガクチカになります。
ほかの職種で書く時
エンジニアなら、直した不具合や作った機能を、使う人にとって何が変わったかで書きます。デザインやライターなら、作った物そのものより、依頼の意図をどう読み取り、どう直したかを書きます。どの職種でも、課題・行動・結果・学びの順番は同じです。
事務やリサーチのように、成果が見えにくい仕事もあります。その場合は、作業のやり方を変えて時間が短くなった、ミスが減った、といった変化を書きます。
数字の書き方と盛らない理由
数字は、変化が伝わる形で書きます。結果の数字だけでなく、始めた時の数字と並べます。「アポイント率◯%」より「◯%から◯%に」の方が、何をしたのかが見えます。
数字を大きく見せたくなっても、盛らないようにします。面接では、書いた数字について「どうやって数えたか」「チームの中で自分の担当はどこか」と聞かれることがあります。実際と違う数字は、こうした質問に答えられません。
盛った書き方
- チームの売上を自分の成果として書く
- 一番よかった日の数字を平均のように書く
- 関わっていない施策まで自分がしたと書く
確かめられる書き方
- 自分の担当と、チームの成果を分けて書く
- 期間と数え方を添えて書く
- 自分がした判断と行動に絞って書く
長期インターン先にそのまま応募する場合は、書いた内容を一緒に働いた社員が知っています。どの会社に出す場合でも、上司が読んでも同じだと言える内容にしておきます。
数字がない仕事もあります。その時は、変わった出来事を書きます。「作業の手順書を作り、新しく入ったインターン生が◯日で一人で作業できるようになった」のような書き方です。
面接で深掘りされる点
面接では、エントリーシートに書いたことを起点に、質問が重ねられます。次の質問に、自分の言葉で答えられるようにしておきます。
- なぜ、その長期インターンを選んだのか
- 課題に気づいたきっかけは何か
- ほかにどんな方法を考え、なぜその方法を選んだのか
- うまくいかなかった時、どう立て直したか
- 上司や周りの人と、どう役割を分けたか
- その経験を、入社後の仕事でどう使うか
答えに詰まりやすいのは、なぜそうしたかの部分です。在籍中の記録を読み返し、判断の理由を一文で言えるようにしておきます。友人や大学のキャリアセンターに面接役を頼み、声に出して練習すると、説明の抜けに気づけます。
志望動機とのつながりも見直します。長期インターンで身につけたことと、応募する会社でやりたいことが一本の線でつながると、話に筋が通ります。書き方は長期インターンの志望動機の記事を参考にしてください。長期インターン先にそのまま就職する道を考えているなら、長期インターンからそのまま就職できるかの記事で選考のルールを確かめられます。



