ライター・編集インターンの仕事

長期インターンのライターは、企業のWebメディアや自社ブログ、出版社のWebサイトなどで記事をつくる仕事です。編集のインターンは、記事が公開されるまでの流れを支えます。大学生が任される仕事には、次のようなものがあります。

  • ライター:テーマを調べて構成案をつくり、記事を書く。古い記事を書き直す
  • 取材の補助:取材の日程調整、録音の書き起こし、取材記事の下書き
  • 編集:原稿の誤字や事実の確認、見出しや画像の手配、公開作業
  • 進行管理:外部のライターへの依頼と締切の管理

最初は書き直しや書き起こしから始まり、慣れてから構成案や新しい記事を任される流れの求人もあります。ほかの職種と比べたいときは、職種別の仕事内容と1日の流れも参考になります。

時給制と記事単価(業務委託)の違い

ライターの求人には、雇用契約で時給が払われる形と、業務委託で記事1本ごとに報酬が払われる形があります。名前が同じインターンでも、守ってくれるルールが違います。

時給制(雇用契約)

雇用契約なら、時給は勤務地の最低賃金以上です。東京都の最低賃金は、2026年10月1日から1,280円です。調べものや修正にかかった時間も、働いた時間として時給が払われます。

記事単価(業務委託)

業務委託で、労働者として扱われない場合は、最低賃金がかかりません。たとえば1本5,000円の記事に8時間かかれば、1時間あたりは625円です。時給制で東京都の最低賃金の1,280円なら、8時間で10,240円になります。単価の求人では、1本の文字数、修正の回数、構成案を誰がつくるかを先に確かめると、1本にかかる時間を見積もれます。

業務委託には、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法がかかります。発注する会社は、仕事の内容、報酬の額、支払期日などを書面やメールなどですぐに示します。従業員を使う会社が発注する場合、報酬は、記事を受け取った日から60日以内のできる限り早い日を支払期日にして、その日までに払います。

従業員を使う会社による1か月以上の業務委託では、受け取りの拒否、報酬の減額、不当なやり直しなどの7つの行為も禁止されています。なお、契約の名前が業務委託でも、働き方の実態が労働者なら、この法律ではなく労働基準法などが適用されます。

時給制と記事単価の違い

時給制(雇用契約)

  • 最低賃金がかかる
  • 8時間で10,240円(時給1,280円)
  • 調べものや修正の時間も時給の対象

記事単価(業務委託)

  • 最低賃金はかからない
  • 1本5,000円なら1時間625円
  • 支払期日は受け取りから60日以内

東京都・1本に8時間かかった場合の例

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書いた記事の著作権

記事は著作権法で守られる著作物になりえます。誰が著作者になるかは、雇用か業務委託かと、記事をどの名義で公表するかで変わります。

雇用契約で書いた記事

著作権法15条は、従業員が職務として作った著作物について、一定の要件を満たせば会社が著作者になると定めています。職務著作(法人著作)です。文化庁の著作権テキストは、要件を5つ挙げています。

  1. その著作物をつくる企画を、会社などが立てた
  2. 会社などの業務に従事する人が作った
  3. 職務上の行為として作った
  4. 公表するときは、会社などの名義で公表される
  5. 契約や就業規則に、従業員を著作者とする定めがない

編集部の名前で公開される記事は、会社が著作者になると考えられます。一方、記事に自分の名前が書き手として出る場合は、4つ目の要件を満たすかどうかが問題になります。扱いは雇用契約や就業規則で決まっていることがあるので、始める前に確かめます。

業務委託で書いた記事

業務委託で書いた記事は、料金を払ったかどうかに関わらず、書いた本人が著作者です。発注した会社が自由に使えるよう、契約で著作権を会社に譲る定めを置くことがあります。

文化庁のテキストによると、記事を翻訳したり別の形に作り替えたりする権利は、契約にはっきり書かれていなければ譲った側に残ると推定されます。また、著作者人格権は譲れないため、行使しないという定めが入ることがあります。同意すると、記事を直されたり名前を外されたりしても異議を言えなくなります。

書いた記事の著作者は誰か

どんな形で書いたか

雇用契約で、会社の企画を職務として書き、会社名義で公表会社が著作者契約や就業規則に別の定めがない場合
雇用契約で書き、自分の名前で公表名義の要件を満たすかが問題になる契約や就業規則の定めを確かめる
業務委託で書いた書いた本人が著作者契約で著作権を会社に譲ることがある

出典:文化庁「著作権テキスト」

取材記事で気をつけること

取材のある記事では、書く前と公開の前に確かめることがあります。録音するなら、始める前に相手の了解を取ります。公開の前に、相手の発言や数字が正しいかを確認してもらうかどうかは、編集部の決まりに従います。

記事に入れる数字や制度の説明は、官公庁や企業の公式発表など、元の情報に当たって確かめます。ほかの記事に書かれていた数字をそのまま使うと、間違いも一緒に広がります。

引用・画像のルール

記事に他人の文章や画像を使うときは、原則として権利者の了解が要ります。了解なしに使える例外の一つが、著作権法32条の引用です。文化庁のテキストは、引用の条件を次のように説明しています。

引用として使うための4つの条件
  1. 1公表済みすでに公表されている著作物である
  2. 2公正な慣行引用する必然性があり、かぎ括弧などで引用部分がはっきりしている
  3. 3正当な範囲自分の文章が主で、引用は必要最小限
  4. 4出所の明示題名、著作者名、出版社名などを書く

出典:文化庁「著作権テキスト」(著作権法32条・48条)

出所を書けば了解なしで使える、というのは誤解です。条件を満たさない使い方なら、出所を書いても了解が要ります。反対に、引用として使える場合でも出所の明示は義務で、違反には罰則があります。

画像と写真

ほかのサイトの写真やイラストを、記事の飾りとして載せるのは引用に当たりません。文化庁のテキストは、自分の著作物に出てくる必然性のない他人の著作物の利用は引用に当たらないとしています。使える素材か、撮影者や会社の了解があるかを確かめます。

人が写った写真には、著作権とは別に肖像権の問題もあります。肖像権を定めた法律はありませんが、判例で確立された権利です。取材で撮った写真を載せるときは、写っている人の了解を取ります。

国や自治体が一般に知らせるために出した広報資料などは、説明の材料として刊行物に転載できる例外があります。転載を禁じる表示がないことと、出所の明示が条件です。

ポートフォリオにする方法

書いた記事は、就活や次の仕事の応募で見せる材料になります。まとめるときは、記事のURLと、自分の担当範囲(構成、取材、執筆、編集)を書き添えます。

  • 自分の名前が出ている公開記事は、URLと担当範囲を書く
  • 名前が出ていない記事は、載せてよいかを会社に確かめる
  • 構成案、下書き、社内の数字は、許可なく外に出さない
  • 書き直した記事は、元の記事と自分の担当を分けて書く

許可は、辞めるときより続けている間にもらう方が頼みやすいものです。返事はメールなど残る形でもらいます。作品の見せ方は、デザインのインターンで説明しているポートフォリオの考え方も使えます。

就活で話すとき

就活の面接では、書いた本数よりも、何を考えて書き、どう直したかが伝わる方が話を広げやすくなります。編集者に直された点と、その後に自分で変えた点を記録しておくと、説明の材料になります。記事の読まれ方の数字を話したいときは、社外に出してよいかを会社に確かめます。

出版社・メディアの求人の探し方

出版社やWebメディアのインターンを探すときは、職種名を変えて検索します。ライター、編集、編集アシスタント、コンテンツ制作など、同じような仕事でも求人によって呼び方が違います。気になる出版社やメディアがあれば、会社の採用ページも見ます。

求人が見つかったら、応募の前に次の点を確かめます。

  • 雇用契約か、業務委託か
  • 時給か、記事単価か。単価なら1本の文字数と修正の回数
  • 記事に自分の名前が出るか
  • 書いた記事の著作権の扱いと、ポートフォリオに載せてよいか
  • 画像や写真を誰が用意するか

Day91は、有給の長期インターンだけを載せる求人サイトです。載るのは、90日続けると91日目に企業から1万円以上の継続手当が出る求人だけです。応募は各企業のページで行います。

この記事は、2026年10月2日時点の法令と、文化庁・厚生労働省・公正取引委員会の公表資料をもとにした一般的な説明です。著作権の帰属や引用に当たるかどうかは、契約の内容や使い方で変わります。個別の状況は、勤務先の担当者や弁護士、総合労働相談コーナーなどに確認してください。