デザインのインターンで任される仕事

デザインのインターンを探す大学生は、まず仕事の範囲を知っておくと求人を選びやすくなります。Webデザインのインターンや、Web制作のインターンで任される仕事には、次のようなものがあります。

  • 広告バナーやSNS投稿の画像をつくる
  • Webページの一部のデザインと、HTMLやCSSでの更新
  • 営業資料や採用資料のレイアウトを整える
  • アプリやWebサービスの画面デザインの修正

最初は既存のデザインの修正や、決まった型に沿った画像づくりから始まることがあります。どこまで任されるかは会社ごとに違うので、面接で最初の1か月の仕事を聞いておきます。

SNS用の画像は、マーケティングの仕事と重なる部分があります。広告や投稿の数字を見る仕事に興味があれば、マーケティングの長期インターンも比べてみてください。

Web制作のインターンで使う知識

Web制作の求人では、見た目を整えるだけでなく、HTMLとCSSでページを直す作業が含まれることがあります。画像を決められたサイズや形式で書き出す、ページを更新する管理画面を操作する、といった作業もあります。求人票に書かれた作業のうち、経験のないものは応募の前に基本を触っておくと、面接で話せることが増えます。

応募に要るポートフォリオ

有給のデザインインターンでは、応募のときに作品をまとめたポートフォリオを求める求人があります。求人票に提出の有無が書かれていなければ、応募の前に問い合わせても構いません。

ポートフォリオで見られるのは、作品の見た目だけではありません。何のために作り、自分がどこを担当し、どう考えて形にしたかです。作品ごとに、次の4点を短く書き添えます。

  • 目的:誰に向けて、何を伝えるために作ったか
  • 担当:一人で作ったか、チームのどこを担当したか
  • 道具:使ったツールと、かかった時間
  • 工夫:迷った点と、なぜその形にしたか

仕事で作った作品がなくても、授業の課題や自主制作で足ります。架空のお店のWebページなど、目的を自分で決めた制作も使えます。実在する会社のサイトを作り直す場合は、その会社のロゴや写真を使ってよいかに注意します。

ポートフォリオをつくる順番
  1. 1作品を選ぶ応募する仕事に近いものから
  2. 2目的と担当を書く誰に何を伝えるか
  3. 3考えた過程を見せるラフや修正前後
  4. 4PDFかWebにまとめる開きやすい形で
  5. 5載せてよいか確かめる他人の素材や仕事の作品

選考の課題で作ったもの

選考で、バナーなどの制作課題を出す会社もあります。課題で作ったものは、雇用や業務委託の前に自分で作ったものなので、作った本人が著作者です。課題を出されたら、提出物を会社がどう扱うか、実際の仕事に使われることがあるか、報酬が出るかを確かめておきます。

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使うツールと貸与PC

使うツールが求人票に書かれていれば確かめ、書かれていなければ面接で聞きます。使ったことがないツールでも、似たツールの経験があれば、その経験を伝えます。

確かめたいのは、パソコンとソフトを誰が用意するかです。リモートで働く場合について、厚生労働省のテレワークガイドラインは、パソコン本体や周辺機器は会社から貸与しているケースが多いと紹介しています。

同じガイドラインは、費用を労使のどちらがどう負担するかを、あらかじめ話し合って就業規則などに決めておくことが望ましいとしています。働く人に機器や作業用品などを負担させる場合は、就業規則に書かなければならないと労働基準法89条で決まっています。

自分のパソコンで有料のソフトを使うよう言われたら、費用を誰が払うかを先に確かめます。会社のパソコンを借りる場合は、辞めるときにパソコンとアカウントを返し、仕事のデータを自分の端末に残さないのが基本です。リモートの働き方はリモートの長期インターンで詳しく説明しています。

作ったデザインの権利

デザインやイラストは、著作権法で守られる著作物になりえます。著作権は、作った時点で手続きなしに生まれます。ただし、誰が著作者になるかは、雇用か業務委託かで変わります。

雇用契約で作った場合

著作権法15条は、会社などの従業員が職務として作った著作物について、一定の要件を満たせば会社が著作者になると定めています。職務著作(法人著作)と呼ばれます。文化庁の著作権テキストは、要件を次の5つにまとめています。

  1. その著作物をつくる企画を、会社などが立てた
  2. 会社などの業務に従事する人が作った
  3. 職務上の行為として作った
  4. 公表するときは、会社などの名義で公表される
  5. 契約や就業規則に、従業員を著作者とする定めがない

雇用契約の長期インターンで、会社の指示で作ったバナーを会社名義で公開した場合は、5つの要件を満たし、会社が著作者になると考えられます。その場合、著作権も会社が持ちます。

業務委託で作った場合

業務委託で受けた制作では、料金を払ったかどうかに関わらず、実際に作った人が著作者です。発注した会社が使うには、契約で利用を認めるか、著作権を譲り受ける必要があります。

著作権は契約で譲れますが、著作者人格権は譲れません。そのため契約書に、著作者人格権を行使しないという定めが入ることがあります。この定めに同意すると、相手がデザインを修正したり、名前を出さなかったりしても異議を言えなくなります。

インターン中に作ったデザインは誰のものか

どんな形で作ったか

雇用契約で、会社の企画を職務として作り、会社名義で公表会社が著作者契約や就業規則に別の定めがない場合
業務委託で受けて作った作った本人が著作者契約で著作権を会社に譲ることがある
仕事と関係なく自分で作った作った本人が著作者自主制作としてポートフォリオに使える

出典:文化庁「著作権テキスト」

素材とフォントの利用条件

仕事で使う写真素材やフォントにも、それぞれ利用条件があります。会社が契約した素材を、自分の作品づくりに使えるとは限りません。ポートフォリオに載せる作品に会社の素材が入っていれば、その素材の条件も確かめます。

ポートフォリオに載せてよい範囲

会社が著作権を持つデザインを、自分のポートフォリオやSNSに載せるには、会社の許可が要ります。業務委託で著作権を譲った場合も同じです。

著作権とは別に、秘密を守る約束にも注意します。公開前のキャンペーン、取引先の名前、社内の数字が入った資料は、雇用契約や秘密保持の約束で外に出せないことがあります。

ポートフォリオに載せる前の仕分け

載せやすいもの

  • 会社の許可を書面やメールでもらったもの
  • 公開済みで、自分の担当範囲を説明できるもの
  • 仕事と関係なく作った自主制作

載せる前に止まるもの

  • 公開前の案件
  • 取引先の資料や、社内の数字が入ったもの
  • 許可を取っていない仕事の作品

許可は、辞めるときより、続けている間にもらう方が頼みやすいものです。どの作品を、どの範囲で、どう説明して載せるかを具体的に伝え、返事はメールなど残る形でもらいます。載せるときは、チームで作ったものなら自分の担当範囲を正確に書きます。

時給の決まり方

雇用契約のデザインインターンでは、時給は会社が決め、勤務地の最低賃金が下限です。東京都の最低賃金は、2026年10月1日から1,280円です。経験やポートフォリオの内容で、最初の時給に差がつくことがあります。

続けるうちに任される範囲が広がれば、時給の見直しを相談できる会社もあります。面接で、時給が上がる条件や評価の時期を聞いておくと、後から話を切り出しやすくなります。

制作物1点ごとに報酬を払う業務委託の求人もあります。労働者として扱われない業務委託には、最低賃金がかかりません。一方、フリーランス・事業者間取引適正化等法により、発注する会社は、仕事の内容、報酬の額、支払期日などを書面などで示すことになっています。従業員を使う会社が発注する場合、報酬は、作品を受け取った日から60日以内のできる限り早い日を支払期日にして、その日までに払われます。

単価の求人では、1点に何回まで修正するか、修正が増えたときに報酬が変わるかも、受ける前に確かめます。修正の回数が決まっていないと、1点にかかる時間が読めません。

時給の見方や、時給以外に確かめる条件は長期インターンの時給の決まり方で説明しています。

Day91は、有給の長期インターンだけを載せる求人サイトです。載るのは、90日続けると91日目に企業から1万円以上の継続手当が出る求人だけです。応募は各企業のページで行います。

この記事は、2026年10月2日時点の法令と、文化庁・厚生労働省・公正取引委員会の公表資料をもとにした一般的な説明です。著作権の帰属や費用の負担は、契約や就業規則の内容で変わります。個別の状況は、勤務先の担当者や総合労働相談コーナー、弁護士などに確認してください。