リモートにしやすい仕事

長期インターンをリモートで行えるかは、仕事の中身で決まります。パソコンとインターネットがあれば進められる仕事は、在宅に向いています。

  • 記事の作成・編集などのライティング
  • SNSの運用、広告やサイトの数字の分析などのマーケティング
  • プログラムを書くエンジニアの仕事
  • バナーや資料を作るデザイン
  • オンライン商談やメールで進める営業・カスタマーサポート
  • データ入力やリサーチなどの事務

反対に、店頭での接客や、機材のある場所での作業は出社が前提になります。同じ職種でも、会社によって在宅でできる範囲は違います。

地方の学生にとってリモートの利点は、住む場所を変えずに、遠くの都市にある会社の求人にも応募できることです。通学と両立しやすく、引っ越しや長い移動も要りません。一方で、職場の雰囲気がつかみにくく、人と顔を合わせる機会は少なくなります。どちらを重く見るかで、フルリモートか一部出社かを選びます。

オンラインで長期インターンを始める大学生は、最初に、どの作業を在宅で、どの作業を出社で行うかを聞いておきます。職種ごとの探し方は長期インターンの探し方の記事にまとめています。

フルリモートと一部出社の違い

リモートの求人には、大きく2つの形があります。すべての仕事を在宅で行うフルリモートと、週に何日かは会社に通う一部出社です。

フルリモートなら、住む場所を問わずに応募できます。交通費と移動時間がかからず、授業の前後の短い時間も仕事にあてられます。その代わり、質問や相談はチャットやオンライン会議で行います。通信費や電気代をどう負担するかも、先に決めておく必要があります。

一部出社なら、通える範囲に住んでいることが前提です。出社日には対面で仕事を教わる機会があり、わからないことをその場で聞けます。出社する曜日を授業の時間割と合わせられるか、出社日の交通費が出るかを確かめます。

厚生労働省のテレワークガイドラインは、テレワークを、自宅での在宅勤務、サテライトオフィスでの勤務、場所を決めないモバイル勤務に分けています。カフェなど自宅以外で働いてよいかは会社ごとに違います。会社が許可する場所の基準を、就業規則などで決めておくことが考えられるとされています。

最初の研修期間だけ出社し、慣れたらフルリモートに移る求人もあります。在宅勤務の範囲が途中で変わるかどうかも、契約前に聞きます。2024年4月から、会社は就業場所の変更の範囲を労働条件として示すことになっています。

\ 3か月続けたら、91日目に手当 /

継続手当つきの求人を探す

最低賃金は会社の事業場の所在地で決まる

有給の長期インターンでも、雇用契約なら最低賃金が時給の下限です。リモートで注意するのは、どの都道府県の最低賃金が使われるかです。

テレワークガイドラインは、働く場所にかかわらず、その人が属する事業場がある都道府県の最低賃金が使われるとしています。住んでいる県ではありません。

事業場の所在地で変わる最低賃金(令和8年度)
1,090円1,114円1,231円1,280円
  1. 1,090円秋田2026年10月14日から
  2. 1,114円福岡2026年10月4日から
  3. 1,231円大阪2026年10月1日から
  4. 1,280円東京2026年10月1日から

出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」。発効日は都道府県ごとに違います。

令和8年度の最低賃金は、東京都が1,280円、大阪府が1,231円、福岡県が1,114円、秋田県が1,090円です。発効日は、東京都と大阪府が2026年10月1日、福岡県が10月4日、秋田県が10月14日です。

たとえば秋田県の自宅から、東京都の事業場に属してフルリモートで働くなら、下限は東京都の1,280円です。時給の見方や、ほかの都道府県の額は時給の決まり方の記事にまとめています。

在宅勤務の時間管理と通信費

働いた時間の記録

在宅でも、会社には働いた時間を把握する責任があります。ガイドラインは、パソコンの使用時間の記録など客観的な記録をもとに確認する方法を挙げています。やむを得ず自己申告で把握する場合は、正しく申告できるよう説明することなどが求められます。

会社の指示で業務に関わっている時間は、労働時間です。打ち合わせの前の準備や、終業後に指示されたチャットの返信も、指示があれば労働時間に当たります。自己申告の場合は、実際に働いた時間をそのまま記録します。

在宅でも、残業や深夜のルールは出社と同じです。ガイドラインは、テレワークでも時間外・休日労働には36協定と割増賃金が、深夜の労働には深夜の割増賃金が必要だとしています。夜にまとめて作業したくなっても、午後10時以後に働く場合は会社の許可を取り、記録に残します。

中抜けの扱い

在宅勤務では、授業や用事で、勤務の途中に仕事から離れることがあります。これを中抜けといいます。ガイドラインは、中抜けの時間を会社が把握してもしなくてもよいとしたうえで、扱い方の例を示しています。

在宅勤務の中抜けの扱い

会社は中抜けの時間を把握するか

把握する休憩として扱い、終業を遅らせる時間単位の有給休暇として扱う方法もある
把握しない始業から終業までを、休憩を除いて労働時間とする

出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」

どちらにするかは、会社が就業規則などで決めておくことが重要とされています。授業の合間に働く予定なら、中抜けの扱いを最初に確かめます。

通信費・電気代の負担

在宅勤務では、自宅のインターネットや電気を使います。ガイドラインは、どちらがどう負担するか、会社が負担する場合の上限、請求の方法を、あらかじめ話し合って決めておくことが望ましいとしています。労働者に通信機器などの費用を負担させる定めをするなら、就業規則に書く必要があります(労働基準法第89条)。

会社から通信費などを受け取るときは、払われ方で税金の扱いが変わります。国税庁のFAQによると、業務に使った分を実費で精算して払う金銭は、給与として課税されません。使わなくても返さなくてよい在宅勤務手当(たとえば毎月5,000円の渡し切り)は、給与として課税されます。

在宅勤務の費用と税金

実費で精算して払う

  • 業務に使った分を計算して払う
  • 給与として課税されない

渡し切りの手当

  • 例:毎月5,000円を一律で払う
  • 使わなくても返さない
  • 給与として課税される

出典:国税庁「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」

パソコンは、会社から貸し出される求人と、自分のものを使う求人があります。貸し出しなら、返す時期と、壊したときの扱いを聞いておきます。

在宅勤務中のけがも、仕事が原因なら労災保険の対象です。ガイドラインは、事業主の支配下にあることで生じたテレワーク中の災害は業務上の災害として扱うとしています。私的な行為が原因のものは対象外です。

情報の扱い

在宅では、会社の情報を自宅で扱います。ガイドラインは、総務省のテレワークセキュリティガイドラインなどを使った対策や、労働者への教育を行うことが望ましいとしています。家族と共用のパソコンや、公共のWi-Fiを使ってよいかは、会社のルールに従います。わからなければ、作業を始める前に聞きます。

地方学生が出社型を選ぶ時の通い方

地方の学生でも、出社型の求人を選ぶ方法はあります。住んでいる地域の会社で探す、通える範囲の都市の会社で週1日だけ出社する、などです。

出社がある求人では、交通費の扱いを必ず確かめます。支給されるか、上限はいくらか、出社した日だけ払われるかです。遠方からの出社だと、交通費が自己負担なら手元に残る額が大きく減ります。

所得税では、電車やバスの通勤手当は、もっとも経済的で合理的な経路の額で、1か月15万円まで非課税です。一方で、健康保険の扶養の判定では、日本年金機構が、年間収入を見込むときの賃金に諸手当も含めるとしています。交通費が多い人は、扶養の判定に影響しないかも見ておきます。扶養の目安は扶養と年収の壁の記事にまとめています。

移動の時間も、続けやすさに関わります。週何日、何時間働くかは、移動時間を含めて考えます。

出社日の往復でけがをした場合は、通勤災害として労災保険の対象になることがあります。通勤災害は、住居と就業の場所の往復などを、合理的な経路と方法で行う途中のけがなどを指します。

応募前に確かめること

リモートの長期インターンに応募する前に、次の点を求人ページと面接で確かめます。

  1. フルリモートか一部出社か。出社がある場合は頻度と場所
  2. 所属する事業場の所在地と、その都道府県の最低賃金を上回る時給か
  3. 働いた時間をどう記録するか。中抜けをどう扱うか
  4. パソコンの貸し出しの有無と、通信費や電気代の負担
  5. 連絡に使うツールと、質問に答えてもらえる時間帯
  6. 出社日の交通費の支給と上限

在宅では、困ったときにすぐ聞ける人がそばにいません。最初の数週間は、決まった時間に上司と短く話す機会があるかも、続けやすさを左右します。

Day91で探す場合

Day91は、有給の長期インターンだけを載せる求人サイトです。載るのは、3か月(90日)続けると、91日目に企業から1万円以上の継続手当が出る求人だけです。手当は企業が自社の制度として直接払い、Day91はお金を預かりません。

応募は各企業のページで行います。リモートの範囲、交通費、手当の条件は、企業のページで確かめてください。

この記事は、2026年10月2日時点で厚生労働省・国税庁・日本年金機構が公表している情報をもとにした一般的な説明です。在宅勤務の費用や手当の税金、社会保険の扱いは、払われ方や働き方で変わります。個別の状況は、勤め先、税務署、年金事務所に確認してください。