応募条件は会社が求人ごとに決める

長期インターンに既卒の人が応募できるかどうかに、法律の一律の決まりはありません。長期インターンという言葉にも、法律上の定義はありません。応募条件は、求人を出す会社が求人ごとに決めます。

求人に大学生、学生と書いてあるときは、在学中の人を想定しています。既卒や社会人でも応募できるかは、応募前に会社へ聞くのが確実です。

一方で、年齢による制限には法律のルールがあります。労働施策総合推進法第9条により、会社は募集と採用で、原則として年齢にかかわりなく均等な機会を与える必要があります。例外は施行規則で決められています。その1つが、法令で特定の年齢の人の仕事が禁止・制限されている業務です。たとえば18歳未満の人が働けない深夜の仕事なら、18歳以上に限って募集できます。

長期インターンの基本の仕組みは長期インターンとはの記事で説明しています。

インターンという言葉は、就職活動の文脈でも使われます。文部科学省・厚生労働省・経済産業省のインターンシップの考え方は、大学、大学院、短期大学、高等専門学校の学生を対象にした取組をまとめたものです。有給の長期インターンは、雇用契約を結んで働く仕事です。大学生かどうかではなく、求人の条件に合うかで応募できるかが決まります。

応募条件を読むときは、次の3つを分けて考えます。1つ目は在学しているかどうか、2つ目は年齢、3つ目は働ける曜日と時間です。長期インターンは続けて働くことが前提です。3つ目の、決まった曜日と時間に続けて働けるかは、応募前に自分で確かめておきます。

既卒・社会人の場合

既卒の人は、学生ではありません。有給の長期インターンで雇用契約を結ぶなら、働き方はアルバイトやパートと同じルールで扱われます。学生との大きな違いは、保険の扱いです。

  • 雇用保険:週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあれば被保険者になります。
  • 健康保険・厚生年金:従業員51人以上の会社で、週20時間以上働き、2か月を超えて雇用される見込みがあるなどの要件を満たすと加入の対象です。学生ではないので、学生を除く決まりは使われません。

社会保険の加入対象になる会社の規模は、段階的に広がります。厚生労働省によると、従業員36人以上の会社は2027年10月から対象になります。

税金では、卒業すると勤労学生控除が使えなくなります。国税庁によると、勤労学生控除の対象は、大学や高校など特定の学校の学生・生徒で、給与などの勤労による所得がある人です。既卒の人は学校に在学していないため、この条件に当てはまりません。

本業がある社会人が、有給インターンを副業として始める場合は、労働時間に注意します。労働基準法第38条により、別の会社で働いた時間も、労働時間の規定では通算されます。本業の就業規則で副業が認められているかも確かめます。厚生労働省は副業・兼業の促進に関するガイドラインを公表しています。

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休学中の場合(雇用保険の扱い)

休学中の人が学生向けの求人の条件に当てはまるかは、会社の判断です。応募の段階で休学中であることを伝えておくと、話が早く進みます。

保険の扱いは、休学中かどうかで変わります。雇用保険では、昼間に通う学生は原則として被保険者になりません。ただし、休学中の人は例外です。休学の事実を証明する文書があれば、週20時間以上・31日以上の雇用見込みという要件で被保険者になります。

健康保険・厚生年金でも、厚生労働省は、休学中の人は加入の対象になるとしています。会社の規模や週の労働時間などの要件は、既卒の人と同じです。

復学すると、昼間学生の扱いに戻ります。復学に合わせて週の所定労働時間を20時間未満に減らした場合も、雇用保険の資格を失う手続きが必要になります。休学と復学の時期は、契約期間を決めるときに会社と共有しておきます。

雇用保険で学生がどう扱われるか

いまの立場はどれか

昼間に通う大学・大学院・高校などの学生原則として被保険者にならない卒業後も同じ会社で働く予定で、卒業見込証明書がある場合などは例外
休学中(証明する文書がある)週20時間以上・31日以上の見込みで被保険者
通信教育・夜間学部・定時制の学生週20時間以上・31日以上の見込みで被保険者
既卒・社会人週20時間以上・31日以上の見込みで被保険者

出典:厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き」、東京労働局ハローワークQ&A

大学院生・通信制の学生

大学院生も、昼間に通っていれば昼間学生として扱われます。雇用保険の扱いは大学生と同じで、原則として被保険者になりません。例外として、会社の命令や承認を受け、雇用関係を続けたまま大学院に在学する人は被保険者になります。

応募の条件では、求人の対象に大学院生が入っているかを確かめます。研究室の予定で週に入れる日数が変わる場合は、面接で先に伝えます。

通信制の大学で学ぶ人は、雇用保険では昼間学生に当たりません。通信教育を受けている人、大学の夜間学部、高校の夜間・定時制の人は、週20時間以上・31日以上の見込みがあれば被保険者になります。健康保険・厚生年金でも、定時制・通信制の人は加入の対象です。

雇用保険の被保険者になると、給与から雇用保険料が引かれます。その代わり、条件を満たせば、離職したときの給付などの対象になります。給与明細で、保険料が引かれているかを確かめます。

高校生の場合(18歳未満の制限)

高校生でも、雇用契約を結んで働くことはできます。ただし、18歳未満の人には労働基準法で特別なルールがあります。深夜の時間帯を含む求人などでは、18歳以上を条件にしていることがあります。

  • 満15歳になった日以後の最初の3月31日が終わるまでは、原則として働けません(第56条)。
  • 会社は、18歳未満の人の年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けます(第57条)。
  • 時間外・休日労働の協定(36協定)による残業や休日出勤は、18歳未満には使えません(第60条)。
  • 午後10時から午前5時までの深夜に働くことは、原則としてできません(第61条)。
  • 18歳以上の人が深夜に働いた場合、会社は25%以上の割増賃金を払う必要があります(第37条)。

18歳未満は民法上の未成年者です。民法第5条により、未成年者が契約などの法律行為をするには、親などの法定代理人の同意が必要です。同意のない契約は取り消すことができます。

一方で、労働基準法第58条により、親などが本人に代わって労働契約を結ぶことはできません。契約を結ぶのは本人で、親は同意をする立場です。第59条により、賃金は本人が受け取り、親が代わりに受け取ることはできません。

労働時間の決め方にも違いがあります。第60条により、1か月単位の変形労働時間制やフレックスタイム制などは、18歳未満には原則として使われません。1日8時間・週40時間という上限が、そのまま当てはまります。例外として、週40時間の範囲で1日を4時間以内に短くした場合に、ほかの日を10時間まで延ばす働き方などが認められています。

18歳未満と18歳以上の違い

18歳未満

  • 午後10時から午前5時までは原則働けない
  • 36協定による残業・休日出勤はできない
  • 会社が年齢を証明する戸籍証明書を備え付ける

18歳以上

  • 深夜も働けるが、25%以上の割増賃金
  • 36協定の範囲で残業・休日出勤がありうる
  • 年齢の証明書の備え付けは不要

高校生は授業があるため、放課後や長期休みに働ける求人を選びます。アルバイトについて学校の決まりがある場合もあるので、応募前に確かめます。

会社側から見た労働時間のルールはインターン生の労働時間の記事にまとめています。

求人票で確かめる項目

大学生以外の人が応募するときは、次の項目を求人票と面接で確かめます。書いていなければ、応募前に聞きます。

  1. 応募の対象:学年、既卒、休学中、大学院生、通信制、高校生のどれが入っているか
  2. 年齢の条件:18歳以上などの条件があるか
  3. 働く時間帯:18歳未満なら午後10時より前に終わるか
  4. 週の所定労働時間:20時間以上かどうか。雇用保険と社会保険の扱いが変わる
  5. 契約期間:卒業や復学の時期と合うか
  6. 副業の可否:社会人なら本業の就業規則で認められているか
  7. 保険の手続き:雇用保険や社会保険に入るかを、会社がどう判断しているか

応募するときの伝え方

大学生以外の立場で応募するときは、最初の応募の段階で、いまの立場と働ける期間を書いておきます。会社が条件に合うかを早く判断でき、行き違いが減ります。

  • 既卒:卒業した年月と、いまの働き方(就職活動中、ほかの仕事がある、など)
  • 休学中:休学の期間と、復学の予定の時期
  • 大学院生:学年と、研究で忙しくなる時期
  • 通信制:スクーリングや試験で働けない時期
  • 高校生:学年と、親などの同意を得ていること

大学1・2年生が始めるときの手順は大学1年生からの長期インターンの記事で説明しています。

Day91で探す場合

Day91は、有給の長期インターンだけを載せる求人サイトです。載るのは、3か月(90日)続けると、91日目に企業から1万円以上の継続手当が出る求人だけです。手当は企業が自社の制度として直接払い、Day91はお金を預かりません。

応募の対象や年齢の条件は求人ごとに違います。応募は各企業のページで行うので、自分が対象に入るかを企業のページで確かめてください。

この記事は、2026年10月2日時点で厚生労働省と法令をもとにした一般的な説明です。雇用保険や社会保険の加入は、会社の規模、週の労働時間、在学の状況で変わります。個別の状況は、勤め先、ハローワーク、年金事務所に確認してください。