給与だけなら多くは年末調整で終わる
有給インターンで確定申告が必要かどうかは、給与の受け取り方で決まります。雇用契約で働く長期インターンの給与は、アルバイトと同じ給与所得です。
会社は毎月の給与から所得税を天引きします。12月の最後の給与を払うときに、1年分の税額を計算し直します。これが年末調整です。天引きした額が多ければ、差額が本人に返されます。年末調整の対象は、原則としてその会社に扶養控除等申告書を出している人です。
国税庁は、大部分の給与所得者は年末調整で税額が確定し、確定申告の必要はないとしています。年末調整の流れと、会社に出す書類はインターンの年末調整の記事で説明しています。
2026年分は、本人の給与が178万円以下なら所得税は0円です。給与所得控除74万円と基礎控除104万円を足した額です。この改正は2026年12月の年末調整から反映されます。年収の壁の全体は扶養と年収の壁の記事にまとめています。
確定申告が必要になる人
給与所得者でも、次のどれかに当てはまる人は確定申告が必要です。学生に関係しやすいものを国税庁のタックスアンサーNo.1900から抜き出しました。
- 給与を1か所から受けていて、給与以外の所得(業務委託の報酬などから経費を引いた額)の合計が20万円を超える人
- 給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった方の給与と、給与以外の所得の合計が20万円を超える人
2か所以上から給与を受ける人には例外があります。給与の合計から一部の所得控除を引いた額が150万円以下で、給与以外の所得が20万円以下なら、申告は不要です。
また、確定申告をすれば税金が戻る人は、申告の義務からは外れます。義務はなくても、申告すればお金が戻るという立場です。
学生には勤労学生控除(27万円)もあります。2026年分は、合計所得金額が89万円以下の学生が対象です。給与だけなら給与163万円以下にあたります。給与だけの人は178万円以下で所得税が0円になるので、この控除で所得税の額が変わる場面は限られます。受けるときは、勤め先に出す扶養控除等申告書に書きます。
12月に在籍している会社で年末調整を受けたか
出典:国税庁 No.1900、No.2030、令和8年分 年末調整のしかた。例外や細かい要件は本文と出典で確かめてください。
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継続手当つきの求人を探す還付申告で税金が戻る場合
申告の義務がない人でも、天引きされた所得税が1年分の税額より多ければ、確定申告で取り戻せます。これを還付申告といいます。
年の途中で辞めた場合
国税庁は、年の途中で退職し、年末調整を受けずに税金を納めすぎている場合を、還付申告の代表例に挙げています。たとえば夏までインターンを続けて辞め、12月にどこにも在籍していない人です。
たとえば4月から8月まで、社会保険料の天引きがない月12万円の給与を受け取り、扶養控除等申告書を出していたとします。2026年分の月額表の甲欄(扶養親族等0人)では、1か月の天引きは890円です。5か月で4,450円になります。
ただし、パートやアルバイトとして働いた人が辞めて、その年の給与の総額が136万円以下で、年内にほかから給与を受ける見込みがない場合は、辞めるときに会社が年末調整をします。源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の欄に記入があれば、年末調整は済んでいます。
2026年分は、給与178万円以下なら所得税は0円です。年末調整を受けずに辞めた人が天引きされた所得税は、申告すれば全額戻る計算になります。国税庁の令和8年度改正のQ&Aも、年の途中で退職し年末調整を受けていない人は、改正後の控除を受けるために確定申告が必要としています。
掛け持ちで乙欄の天引きがある場合
扶養控除等申告書を出していない勤め先では、税額表の乙欄で天引きされます。社会保険料などを引いた月の給与が105,000円未満でも、その3.063%が引かれます。月5万円なら1,531円です。
年末調整はこの勤め先では行われません。ほかに所得がなく、1年の給与の合計が178万円以下なら、申告すれば乙欄で引かれた分が戻ります。掛け持ちの数え方はバイトとの掛け持ちの記事で説明しています。
いつまで出せるか
還付申告は、確定申告の期間とは関係なく、翌年1月1日から5年間出せます。2026年分なら、2027年1月1日から出せます。去年や一昨年の分も、5年以内なら間に合います。
源泉徴収票の見方
確定申告にも還付申告にも、源泉徴収票を使います。会社は、翌年1月31日までに源泉徴収票を渡す決まりです。年の途中で辞めた人には、退職の日から1か月以内に渡します。届かないときは、会社に依頼します。
| 欄 | 書かれている額 | 見るときのポイント |
|---|---|---|
| 支払金額 | その年に払うと決まった給与の総額 | その勤め先から受け取った額面の年収 |
| 給与所得控除後の金額(調整控除後) | 支払金額から給与所得控除を引いた額 | 年末調整を受けた人だけ記入される |
| 所得控除の額の合計額 | 社会保険料控除、勤労学生控除、基礎控除などの合計 | 年末調整を受けた人だけ記入される |
| 源泉徴収税額 | 最終的に納めた所得税と復興特別所得税 | 年末調整をしない場合は、その年に天引きした額 |
国税庁の作成の手引では、真ん中の2つの欄は、年末調整を受けた人の源泉徴収票にだけ書くとされています。この2つが空欄なら、その給与は年末調整されていません。
次に、源泉徴収税額の欄を見ます。0円なら、申告しても戻る税金はありません。0円より多く、1年の給与の合計が178万円以下なら、還付申告で戻る可能性があります。
年の途中で就職した会社で年末調整を受けた場合、前の会社の給与を合算していれば、その額も支払金額に含まれます。前の会社の源泉徴収票を新しい会社に出していなければ、合算されていません。
業務委託の報酬がある場合
雇用契約ではなく、業務委託で報酬を受け取るインターンもあります。この報酬は給与ではありません。副業の原稿料などは、雑所得の例として国税庁が挙げています。
雑所得は、報酬から必要経費を引いた額です。給与がある人は、この所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。
原稿料などの一部の報酬は、払う側が源泉徴収をします。1回の支払いが100万円以下なら、10.21%です。所得の合計が少なく、1年の税額が0円になる人は、確定申告をすれば引かれた分が戻ります。
たとえば原稿料を月3万円、12か月受け取ると、1回につき3,063円、1年で36,756円が引かれます。ほかに収入がなく、経費を引いた所得が2026年分の基礎控除104万円以下なら、所得税は0円です。申告すれば36,756円が戻る計算です。
業務委託には年末調整がありません。報酬の明細や請求書の控えを1年分残しておきます。
e-Taxでの出し方
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に沿って金額を入力すると申告書ができます。作った申告書は、e-Taxで送信できます。
- 1源泉徴収票をそろえる勤め先ごとに1枚ずつ
- 2マイナポータルアプリを入れるマイナンバーカード読取対応のスマホが必要
- 3確定申告書等作成コーナーで入力源泉徴収票の金額を写す
- 4マイナンバーカードで送信還付申告は翌年1月1日から5年間出せる
出典:国税庁「e-Taxの利用方法」
マイナンバーカードで送るには、カードを作ったときに決めたパスワードが2種類要ります。カードの電子証明書の有効期限も確かめておきます。
税務署で手続きをして使う「ID・パスワード方式」は、新規の発行が停止されています。令和9年分の確定申告からは使えなくなる予定です。
手元にそろえるものは、勤め先ごとの源泉徴収票、業務委託の報酬の明細、マイナンバーカード、還付金を受け取る本人名義の口座の情報です。
確定申告の期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。還付申告だけなら、この期間より前の1月から出せます。
Day91に載る求人は、有給の長期インターンだけです。雇用契約で給与を受け取るので、会社の年末調整の対象になります。
この記事は、2026年10月2日時点で国税庁が公表している情報をもとにした一般的な説明です。税額は、収入の種類やほかの所得、控除の状況で変わります。個別の状況は、税務署や勤め先の担当者に確認してください。



