学期の流れ(授業・試験・長期休暇)
長期インターンのテスト期間にシフトをどうするかは、学期の流れを知ると決めやすくなります。大学設置基準22条は、1年間の授業を行う期間を35週にわたることを原則としています。各授業科目は、8週、10週、15週など、大学が定める期間を単位に行います(23条)。
授業の量は単位で決まります。大学設置基準21条は、1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容で構成することを標準としています。この45時間には、授業時間の外の予習や復習も含まれます。卒業の要件は124単位以上の修得です(32条)。
大学設置基準の標準による計算。医学・歯学などは要件が異なる
124単位に45時間をかけると、5,580時間です。学生にとって、授業と自習は仕事の合間にこなすものではありません。勤務計画は、この時間を差し引いた残りで組むものと考えます。
試験期間、長期休暇、授業の曜日は大学ごとに違います。同じ大学でも学部や学年で変わります。インターン生には、学期の初めに自分の大学の学年暦と時間割を共有してもらいます。
15週を単位にする授業なら、試験やレポートは前期と後期の終わりに集まりやすくなります。8週を単位にする授業を置く大学では、学期の途中にも試験やレポートの締切が来ることがあります。年に何回、どの月に忙しくなるかを、学生ごとに把握しておきます。
テスト期間は先に休みとして組む
シフトは、空いている時間に勤務を入れるのではなく、先に学業の予定を埋めてから残りに入れます。試験期間とレポートの締切の前の週は、学期の初めに休みとして予定に入れてしまいます。
試験の直前になって休みを相談されると、仕事の割り振りを急に変えることになります。先に休みとして組んでおけば、その期間に締切のある仕事を入れずに済みます。学生も、休むことに気を遣わずに済みます。
学期の初めの面談では、次のことを聞いておきます。
- 授業のある曜日と時間帯
- 試験期間と、レポートや課題の主な締切
- ゼミの発表、実験、実習など、準備に時間がかかる予定
- 就職活動や資格試験など、学業以外で時間を使う予定
- 長期休暇の期間と、帰省などで勤務できない日
授業とシフトがかぶる場合は、授業を優先します。授業のある時間帯に定例の会議を置かない、授業の合間に入る短い勤務は事前に合意した場合だけにする、といった決まりを作ります。リモートで進められる仕事を用意しておくと、通学の移動時間を省いて勤務できます。
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Day91の掲載について見る月ごとの勤務時間の計画例
学期ごとに、月単位で勤務時間の計画を立てます。下の表は、前期と後期の2学期制の大学に通う学生の計画の例です。数字は例であり、本人の時間割と相談して決めます。
| 時期 | 学業の予定 | 週の勤務時間の例 |
|---|---|---|
| 授業期間 | 授業と課題 | 12時間 |
| 試験の前の週 | 試験の準備 | 4時間 |
| 試験期間 | 定期試験 | 0時間 |
| 長期休暇 | 授業なし | 20時間 |
契約で決める所定労働時間は、試験期間でも無理のない数字にしておきます。厳しい時期に合わせて契約しておき、長期休暇に本人の希望で増やすほうが、契約を守れない状態を避けられます。
勤務が減る月の前には、仕事の割り振りも変えます。計画は学期ごとに作り直します。時間割は学期ごとに変わり、同じ学生でも前期と後期で勤務できる曜日が入れ替わるためです。試験期間に入る2週間前までに、締切のある仕事を終えるか、ほかの人に引き継ぎます。勤務が0時間になる週も、チャットの返信を求めないと決めておくと、学生は試験に集中できます。休み明けの最初の勤務日には、休み中に変わったことを5分で共有する時間をとります。
継続手当などの手当を決めている会社は、その条件と試験期間の関係も確かめます。条件を在籍期間で決めているか、出勤日数で決めているかで、試験期間に勤務を減らした人の扱いが変わります。勤務を減らすことを認めておきながら、それで手当の条件を満たせなくなる形は避けます。
年次有給休暇を使える学生もいます。労働基準法39条により、雇い入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した人には年次有給休暇が付きます。週の所定労働時間が30時間未満の人は、所定労働日数に応じた日数です。厚生労働省のリーフレットによると、6か月の時点で週3日勤務なら5日、週2日勤務なら3日です。使用者は、労働者が請求する時季に年次有給休暇を与えます。請求された時季に与えると事業の正常な運営を妨げる場合に限り、ほかの時季に変えられます(同条)。試験期間に使いたいと言われたら、勤務の予定から外すのが基本です。
シフト変更の締切と連絡の決まり
シフトの決まりは、変更の締切と連絡の方法の2つを決めれば足ります。
- 翌月のシフト希望の締切日(例:前月の20日)
- 確定したシフトを変えたいときの連絡先と手段
- 当日休むときの連絡の期限と方法
- 代わりの人を探す役割は会社が持ち、インターン生に任せない
- 1学年暦と時間割を共有してもらう学期の初め
- 2翌月のシフト希望を出してもらう締切を決めておく
- 3仕事の予定と合わせてシフトを確定する
- 4変更は締切までに、決めた方法で連絡する急な休講・補講は例外として扱う
大学では、補講や休講、試験の日程変更が学期中に出ることがあります。こうした変更は、締切の後でも受け付ける例外として決めておきます。例外を決めておかないと、学生は学業の予定を言い出しにくくなります。
シフトの組み方ではなく、契約の所定労働時間そのものを変えるときは、本人との合意が必要です。労働契約法8条は、労働者と使用者の合意で労働条件を変更できると定めています。変えた条件は書面で改めて示します。
長期休暇に勤務を増やす時の注意(扶養・労働時間)
長期休暇は勤務を増やしやすい時期です。ただし、労働時間と年収の2つに上限を意識します。
労働基準法32条は、労働時間を休憩を除いて1日8時間、1週40時間までとしています。これを超えて働かせるには36協定と割増賃金が必要です。34条により、労働時間が6時間を超えるなら45分以上、8時間を超えるなら1時間以上の休憩を与えます。休暇中に1日の勤務を長くするときは、休憩の時間も予定に入れます。休憩や移動時間の数え方は長期インターンの労働時間で説明しています。
午後10時から午前5時までの深夜に働かせる場合は、2割5分以上の割増賃金が必要です(労働基準法37条)。休暇中だからといって、夜遅くまでの勤務を前提にしないようにします。
年収の壁も確かめます。2026年分では、本人の所得税は給与178万円まで0円です。親の扶養控除の対象は給与136万円以下で、136万円を超え197万円以下では特定親族特別控除になります。健康保険の扶養は、19歳以上23歳未満なら年間収入150万円未満が基準です。詳しい計算はインターンの扶養と年収の壁で説明しています。
健康保険の扶養では、2026年4月から、労働条件通知書などの労働契約の内容から見込む年間収入で判定する取扱いが始まりました。厚生労働省のQ&Aは、労働契約に明確な定めがなく契約段階で見込みにくい時間外労働の賃金などは、年間収入に含めないとしています。
どう増やすか
税金の壁は、その年の1月から12月までの収入で決まります。年収をどこまでにしたいかは学生ごとに違います。休暇の前に、その年の収入の合計と、休暇中に増やしたい時間を本人に確かめてから計画を立てます。
学業優先を求人票に書く
テスト期間の扱いは、入社してから決めるより、求人票の段階で示すほうが応募が集まりやすくなります。学生は、授業と両立できるかを見て応募を決めるからです。
書き方は、条件として読める具体的な形にします。「学業優先」とだけ書くより、「試験期間の2週間は勤務を週0〜4時間に減らせます」のように、減らせる幅と期間を書くほうが、応募の段階で条件がそろいます。
求人票に書いた内容は、面接での説明と労働条件通知書にも同じ言葉で入れます。書類ごとに表現が違うと、試験期間の前になってから認識のずれが見つかります。
面接では、応募者の学年と、次の学期の時間割の見込みを聞きます。採用を決めた後で試験期間と開始日が重なると分かることもあるためです。開始日を試験期間の後にずらすだけで、最初の1か月の勤務が安定します。
- 試験期間は勤務を減らせる、または休めること
- 週の最低勤務時間と、勤務できる時間帯
- シフトの提出の締切と、変更の受け付け方
- 長期休暇に勤務を増やせるかどうか
- リモートで働ける業務があるかどうか
学生側の授業との両立の考え方は長期インターンは週何日・何時間かで、試験期間で辞める人を減らす全体の仕組みは長期インターンの定着で説明しています。
この記事は、2026年10月2日時点の法令と文部科学省・厚生労働省・日本年金機構の公表資料をもとにした一般的な説明です。労働時間や扶養の判定など、個別の状況は労働基準監督署、加入している健康保険の保険者、税務署に確認してください。
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